「湘南高校36回生 修学旅行再現の旅」

法金剛院の仏手柑

新熊野神社の後白河法皇お手植えの楠の樹

  湘南高校を卒業して半世紀以上過ぎた今年、クラスの仲間が、古稀を迎えた記念に京都・奈良 修学旅行再現の旅を企画してくれました。

  歴史に造詣が深いO女史が関西に住んでいて、「修学」旅行にふさわしく有名な史跡・寺院を何ヵ所も訪ねる事が出来ました。また、すっかり寛いだ同窓生との観光は楽しく、食事も酒も極上の三日間でした。

  修学旅行後のレポート提出、ではありませんが、訪ねた名所に一つ一つ俳句を並べてみました。我々の再現の旅、ご覧ください。

同窓のみな古希となり旅はじめ

3日目 ── 2013年1月13

法金剛院  供えたるこれも蜜柑か仏手柑

 

璋子陵へ  壬生菜摘む姉さん被りの京女房

 

 あな寒し賽銭泥棒禁止書き

 

大酒神社  冬うらら大酒神社の由緒書き

 

広隆寺   春近しみ仏までの距離ほどに

 

仁和寺   扉あき胎蔵界へ冬の日矢

 

北野天満宮 手袋を外し牛像そっと撫で

秦の始皇帝を祀る大酒神社の小さな祭殿

2日目 ── 2013年1月12

西大寺   寒き日や七堂伽藍失せし寺

 

近鉄奈良線 遥かなる平城京址ただ枯野

 

東大寺   一月や二月三月四月堂

 

大火見し御仏いまは宝物館

 

興福寺   鼻梁冴え仏頭のみの存在感

 

寒卵ほどや仁王の喉仏

 

寒々と阿修羅に心見透かされ

 

奈良市内  小社へなべて手合わす黒コート

1日目 ── 2013年1月11

戒光寺にてご住職と

泉涌寺   唐風の屋根を見おろす淑気かな

 

戒光寺   底冷えや足裏を見せる不動尊

 

即成院   恵方より笛や太鼓の菩薩たち

 

新熊野神社 注連巻かれ人も輪となる楠大樹

 

三十三間堂 堂なべて障子明かりや千体仏

 

六波羅蜜寺 息白し空也聖の南無六つ

 

八坂の塔  寒夕焼け八坂の塔の垂木映え

 

八坂神社  松明けて八坂の杜の鎮もりぬ

 

本能寺   本能寺閂重き夜寒かな

賑わう北野天満宮

 
 

村上重本店で漬物を土産とする

東大寺の大鐘楼

何も無い西大寺