飛鳥路や空に白雲地に菜花    としこ

着ぶくれて結界を越えまた戻る  萬地郎

義仲に何をかたるや膳所の冬  たかのり

凍て土に埋もれし飛鳥の大伽藍  本三位中将

旅の想い

毎日が新年と願う古希のわれ   展子

京寒し故事を説く君詮無き衆   愚彦

── 70歳の修学旅行 ──

聖林寺

冬うらら子安地蔵は三頭身    萬地郎

新春に話はずんで寺をパス    展子

軒反りの舎利塔近江の雪のせて 萬地郎

雪の座に弟子揃うがに翁堂

残照に見せ場を得たり枯れ野山  みきを

萬地郎

<飛鳥大仏>

冬夕焼け岡寺辺りか小さき塔   みきを

飛鳥路にて 〜 藤原京址・石舞台・飛鳥寺 〜

仏頭の有りし遺構や返り花    萬地郎

<伊勢の居酒屋前>

<芬陀院にて>

昨年から始まった、湘南高校の同窓生の「修学旅行」が 今年も行われた。

細やかな旅程を 今年も O女史が組んでくれた。

昨年は行く事が出来なかった幹事のKさんも加わって、
また、参加者の殆どが年男、年女で 愉快な旅となった。

旅の後で俳句をメールで寄せ合って、思い出をつないでいる。

<飛鳥資料館の山田寺回廊>

飛鳥資料館

廃仏を逃げし離れの冬仏     萬地郎

無辺なる藤原京址名草枯る        萬地郎

石組のなぞなぞ解けず懐手   萬地郎

小走りの芸妓がひとり宵えびす  萬地郎

枯草に陽だまり探す奈良の猫   展子

冬草や酒船石に登り着き     本三位中将

<東司の柱を使った東福寺の庭園>

妙顕寺

石山寺

冬枯れや飛鳥古道にバスはなし  本三位中将

平安の雪に通じる石山寺         たかのり

風花や山に紫式部像      萬地郎

ハラハラと舞う粉雪や気が晴れる としこ

義仲寺

<義仲寺の翁堂>

<橿原神宮>

<石山寺の紫式部>

<聖林寺の山門>

同聚院・東福寺・芬陀院(雪舟庭園)

    

円窓によろし障子の半開き    萬地郎

胴冷えて仏観たかやすわ東司   弘道

蓮枯れて氷の花に東福寺     展子

熱燗や過ぎにし年を吹き飛ばし   本三位中将

待ちかねた旅はすぎてもまだ睦月 展子

古稀過ぎし旧友十人寒の京    みきを

<我々の団体名を付けた貸切バス>

冬木立古今の栄華東福寺     たかのり

明王の睨み木眼なれど冴ゆ    萬地郎

冬帽子虚無僧寺へ目礼す     萬地郎