第51回湘友会セミナー報告

東日本大震災 復興・学び・今できること

講師: 48回生 伴野 誠 (公益財団法人 地域創造基金さなぶり勤務)
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■東日本大震災から6年が経過し、復興は着実に進んでいるものの、まだ約3万5千人が応急仮設住宅に暮らし、約13万人が自宅に住めず避難生活を送っています(数字は2017年1月時点)。また、福島県の12市町村は避難指示区域に指定され、自宅に戻りたくても戻れない人が多数います。今回のセミナーは、復興関連の業務に従事している伴野さんが被災と復興の現実を講演し、多くの湘友会の方々に参加いただきました。この報告書は参加できなかった湘友会の皆様に知っていただきたく、講演内容をまとめてみました。
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1.東日本大震災の被災状況
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2. 東北の復興

(1) 復興資金
① 企業からの支援 860億円 (2011年度) → 63億円 (2015年度) とダウン。
② 復興交付金 3兆7,023億円 (2016年12月末までの累計)

(2) インフラの復興
鉄道 (BRT、山田線復旧工事中)、商店街 (南三陸さんさん商店街、仮設商店街の設定)、 病院 (石巻市立病院の移転、仮設診療所) 等

(3) 復興に時間がかかっている理由
・被災面積が広い、建設業の人手不足、地方公務員の減少 …

(4) 復興の先にある課題
・復興後の新しいまちづくり・・・・・住民の合意形成、コミュニティの再生
・産業の復興・・・・・・・・・・・・・・・・・地場産業の復興、企業家の育成
・復興の先にある課題・・・・・・・・・・人口減、過疎化、高齢化、若年人口減
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3. 震災から学んだこと

(1) 災害への備え
・避難の大切さ (津波てんでんこ、避難場所・経路の確認、ハザード・マップ)
・住宅再建には国からの災害見舞金では再建不能、地震保険の加入がベター

(2) 災害弱者 (老人・年少者等) への対応
・近隣住民に関する情報 (災害弱者の存在確認) の入手
・災害弱者の避難を援助するのは、健常者の責任

(3) 被災者への支援
・必要な資材・・・・水、食料、薬、衣服、サランラップ、生理用品、乾電池、マスク 等
………* 避難場所の生活を想定して考えることが必要です。
・支援方法・・・・・・どこに何が必要かを確認して送る。
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しかしながら、人口減、過疎化、高齢化、若年人口減等の復興の先にある課題もある。
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4. 今できること

(1) 被災地で働く
被災地は人手不足・人材不足です。期間限定の臨時社員、地域おこし協力隊、NPOで働く。

(2) 災害ボランティアに参加する
災害発生後にボランティアセンターが設置され、受入体制が整備されます。
業務内容は多数 (瓦礫除去・生活支援・救援物資の仕分等) あります。
基本はできることをする。できないことはしない。

(3) 被災地を訪れる
被災地を訪れて被災と復興の現場・現物・現実 (3現主義) を知る、語り部さんの話を聞く。

(4) 寄付をする
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5. 私 (講師) の願い

「南海トラフ地震で巨大津波が発生しても、湘南地区で犠牲者が一人も出ないこと」

中川 俊男 (48回生)

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