第10回湘友会セミナーのお知らせ

  • 日時: 平成25年10月12日(土) 14時~16時
  • 場所: 湘南高校 歴史館スタジオ
  • テーマ: 「湘南地方を襲う地震と津波」
  • 講師: 加藤照之氏 (46回生)
  • 対象: 湘南高校卒業生
  • 参加費: 無料
  • 事前申込: 不要

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【講演内容】
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地震・津波は我々の生活の安全を脅かす大きな自然災害リスクである。湘南地方に住む我々はどのような地震・津波に注意する必要があるのか、考えてみたい。

我々の足元を襲った地震としてもっとも重要なのはなんといっても1923年9月1日に発生した関東大震災であろう。相模湾を震源とするこの地震では神奈川県内でも多数の死傷者を出したほか、湘南海岸を中心とする地域では津波によっても多くの方が亡くなった。湘友会セミナーでは、まず関東地震がどのような地震であったのかを紹介する。

では、将来湘南地方を襲うと予想される地震や津波にはどのようなものがあるだろうか。最近話題になっているのは南海トラフ地震、首都圏直下の地震などであろう。

南海トラフ沿いには約100~200年程度の間隔でM8クラスの地震が発生してきた。最近の地震は1944年東南海地震、1946年南海地震である。これらの地震から既に70年近い時間が経過しており、次の地震への備えが必要になっている。

また、首都圏直下の地震としては歴史的に最近の大きな地震としては1855年の安政江戸地震がある。これらの地震についても、どのような特徴があり、湘南の地域にどのような影響を及ぼすのか紹介したい。

これらの地震が予知できれば被害の軽減に役立つと期待されるが、現状ではそれは不可能に近い。地震の研究が進んでいると言われているのに予知ができないのはなぜなのか、その難しさ、予知に代わるものは何なのか、予知と予測の違いは何か、などについても触れてみたい。

これらの知見や教訓を通じて、湘南の地を襲う地震や津波からの被害を軽減するためには我々はどうしたらよいのか、皆と共に考えたい。
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【講師紹介】
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[略歴]
昭和46年 湘南高校卒業(在学中はバレーボール部)  
昭和50年 東京大学理学部地球物理学科卒業
昭和55年 東京大学大学院理学系研究科地球物理学 博士課程修了(理学博士)
平成10年 東京大学教授(地震研究所)
東京大学地震研究所 地震予知研究推進センター長(2001~2007
東京大学地震研究所 国際地震・火山研究推進室長(2005年4月~2011年3月)

[委員等]
地震防災対策強化地域判定会委員
地震予知連絡会委員(2001年4月~2007年3月)
地震調査研究推進本部長期評価部会委員
日本地震学会副会長(2010年5月~2012年5月)・理事・代議員
日本地震学会会長(2012年5月~)
日本測地学会副会長・評議員(2011年4月~)
日本地球惑星科学連合国際学術委員会委員長(2008年5月~2010年)

[主な研究内容]
地殻変動データを用いた地殻変動及び地震の発生過程の研究。特にGPS (全地球測位システム) を用いた地殻変動の研究。西太平洋からアジアにかけての地域にGPS観測網を建設し、プレート運動を検出。また、伊豆半島や東海地方にGPS稠密アレイを建設し、群発地震に伴うダイクの貫入過程やフィリピン海北縁部の地殻変動の研究を行う。その他、「GPS津波計」の開発に従事。