第25回湘友会セミナー報告

2015年1月24日(土) 13:30~15:30 、37回生の増沢隆久さんを講師に迎え、湘友会セミナー「微細加工にこだわって半世紀」が開催されました。

増沢隆久さんは元東京大学生産技術研究所教授で長年微細加工の技術開発を続けてきました。現在も東京大学名誉教授、増沢マイクロ加工技術コンサルティング代表として微細穴あけ加工の研究を続けています。この研究の功績により、文部科学大臣賞 (平成15年度科学技術功労者)、精密工学会賞 (2009年) 等を受賞されています。

世の中の人の心には、マクロに向かう興味と、ミクロに向かう興味があって、どうやらその人によってほぼその方向性が決まっているようです。増沢君の心はミクロに向かい、 人の手が加えられ得る最も微細な領域へと突入していったようです。

話を聞いて、私たちが日常使っている便利な道具たちの多く (例えば携帯電話、パソコン、プリンター、USB、 カメラ、医療機器などなど) に、彼の研究開発してきた技術が散りばめられていることに驚かされました。根岸英一さんのようにノーベル賞を受賞されないまでも、科学者、研究者というものは尋常でない努力を営々と積み重ねてその結果を築いてきているのだなと実感させられました。このようなセミナーにもっと在校生が頻繁に触れれば、大いに 触発されるのではないでしょうか?

最後に”お土産”に貰ったハート型の薄い金属板に空けられた25ミクロン (25/1000mm) の穴。家に帰って10倍のルーペを使い、灯りにかざして漸くかすかに向こう側のが見えた 時は、ハーッと溜息をついたものでした。工学のセミナーに対して甚だ散文的で申し訳 ありませんが、専門外の者が感じた率直な感想でした。

※また、セミナーの後に38組のミニクラス会を行いました。

報告/森 幹夫 (37回生)