・日時: 2015(平成27)年8月15日(土) 15時~16時半
・場所: 湘南高校 多目的ホール
・テーマ: 「サッカーは社会的イメージ・リーダー」
・講師: 湯浅 健二(46回生 サッカー部OB、プロ・サッカー・コーチ、サッカー・ジャーナリスト)
・主催: 湘南サッカー部OB会
*講師プロフィール
1976年、武蔵工業大学卒業後、ドイツへサッカー留学。1981年、国家試験に合格し、ドイツ・サッカー協会公認プロ・サッカー・コーチ・ライセンス取得。日本ではサッカーがまだマイナー・スポーツであった時に、ドイツに渡った彼は、サッカーの本質は「世界中の人間が悲喜こもごもの<思い入れドラマ>を共有する大衆 スポーツ文化」であると気づき、同時に「チーム・サポーター」という存在が重要だと考えた。
1981年~1986年、読売サッカークラブ(現・東京ヴェルディ)コーチとして務め、日本リーグ、リーグカップ、天皇杯など、複数タイトルを獲得。その後、株式会社API(マーケティング分析・企画)設立。「Jリーグ」発足後は、会社経営と並行し、コーチ経験者の目線をベースに、フリーランス・ジャーナリストとして各種メディアで解説・論説を展開。著書に「闘うサッカー理論」(三交社)、「サッカー 監督という仕事」(新潮社)、「日本人はなぜシュートを打たないのか」(アスキー新書) など多数。
講演内容
自分はサッカー選手としては「たいした選手ではなかった」が、「サッカーが大好き」であった。大学卒業時にいろいろ悩んだが「やらないで後悔するよりとにかく、好きなことにチャレンジしよう」と、日本サッカーの育ての親と言われるデットマール・クラマー氏の母国ドイツへ留学した。(費用は主に陸送の仕事で貯め、まあまあの英語力とほんの少しのドイツ語力で。大使館や日本協会に相談し手続きを取った)
実は、最初は1.FCケルンやボルシア・メンヒェングラートバッハのプロテストを受けたが、やはり、選手としては厳しく、コーチの養成学校に入る。将来日本での生活を考えた時、 経済的基盤として「トラック運転手・ドイツ語の翻訳」などでも何とかなるだろうと、 たいした不安を抱かずに勉強に専念できた。
<学んだこと>
・とにかく基礎技術が大事。特にボールを止める「トラップ」の技術。弱いボール、強いボール、浮いたボールなどにどう対処するか。相手のいる中で、自分の次のプレーにすぐ移れるように。
・刻々と変わる状況の中で、自分の判断を主張するように。 (日本は協調性を大事にし過ぎる、周りの言うことを気にし過ぎ)
・「自己主張」をする時には、前提として自分が「ハードワーク」をしていなければならない。そうでなければ周りから受け入れられない。また、ミスを恐れてはいけない。ミスをすると言うことは「何かをしているから起きるもの」だから。
・ハードワーク=走る ということだが、一試合何キロ走ったというただの距離のことではない。全力で、ダッシュで と量と同時に「質」が重要だ。
・サッカーはグランドに出れば、自分で判断・決断・行動するスポーツ。その行動が周りの考えと同じ時、チームワークが出来てくる。
・現在の不確実な時代、社会においても自分で判断・決断・行動できることが大事であり、それが、社会的イメージ・リーダーと言える。良い意味で「自己主張」することが必要になり、個々のプライドを作ることは仕事でもサッカーでも同じである。
現役部員は、とにかく今、サッカーに真剣に全力で打ち込んでほしい。