GRAY ’83クラス会!「数学の美しさ」はいまだ輝きを失わず

森戸先生をご存じですか?

80年代の湘南高校で数学を教えてくださっていた熱血漢(熱血汗?)。ブラスバンド部の顧問で、汗をかきながら数学の美しさを生徒に訴えかけていらっしゃった森戸努先生です。現在は川和高校の副校長をされています。

その森戸先生が担任だった、私たち昭和58年度卒業の3年2組は、この3月23日の土曜日、卒業30年を記念してクラス会を開催しました。45人のクラスメートのうち24人が出席。特に、女性(女子?)は15人中ほとんどが出席する大盛況ぶり。それもそのはず、1年後の2014年3月に定年・引退を迎える森戸先生が、湘南高校の教室を借りて「最後の授業」をなさる、という企画だったからです。当日は、3年2組のクラスメートのほか、ブラスバンド部や他組のOBとOGも参加してくれました。

集合時間の午後1時になると、同級生たちが続々と集結。中には「種(しゅ)」まで変わったのではないかと一瞬思うケースもありましたが、昔の面影を確かめあうと、雰囲気はあっという間に「3年2組」の教室にもどっていました。

1時20分になると森戸先生が入室。久しぶりに見る先生の姿が、あまりにも変わっていらっしゃらないことに一同どよめきつつも、あらかじめ決めておいた「日直」が、「起立っ、礼っ、着席っ」と号令をかけ、授業が始まりました。出席者名簿を手に、一人ひとりの名前をじっくりと読み上げる森戸先生。リノベーションで校舎やグランドは大きく変わってしまっていましたが、教室の中は昭和58年のままでした。

この日のために、森戸先生はテキストを作成。タイトルは「音楽の三要素と数学の美しさ~対称性(シンメトリー)の魅力」。本体22ページ、解答編12ページという大作です。1ページ目から東大理系の入試問題(1973年出題)が登場するなど、ふつうの社会人生活を送る、大半の(元)生徒は唖然。それでも森戸先生は一切めげず、「美しいだろぉ?」「分かるぅ?」「すごいじゃない、この曲線!美しいでしょ?」と昔のままの名調子で授業が展開していきます。

そのうちに、(元)女生徒の一人が手を挙げて、「先生っ!タンジェントってなんでしたっけ?」と質問。そりゃそうです。日常生活では、タンジェントもサイン、コサインも使いませんから。丁寧に三角関数の復習を済ませると、次のテーマは素数。757や19391のように、左から読んでも右から読んでも同じ整数を「回文数」と呼び、それが素数の場合には「回文素数」というらしいです。ふ~ん、結構面白い。もちろん、授業のすべては理解できませんでしたが、先生の相変わらずの熱意はビンビンに伝わってきました。

  

2時間(!)の授業が終わると、森戸先生から「教師生活の最後にこういった機会を設けてもらえて、教師冥利に尽きる。ありがとう」と震える声でもったいないお言葉。花束の贈呈と記念撮影で、感動の一次会を締めくくりました。その後、藤沢に出て、二次会・三次会。時間が過ぎるのを惜しみながら、文字通り、旧交を温めました。

クラスメートの大半は、昭和40年、1965年生まれで、今年は48歳の年男・年女です。社会人になってみれば、ともに過ごした時間の2年間(高2, 高3)はごく短い時間ですが、その濃さは分量では量れないなぁ、と実感することしきりでした。

森戸先生!タンジェントは忘れても、あなたに数学を教わったことは忘れません!

(幹事:高橋)