36回35組 第8回修学旅行 (2020年2月4日~6日)

すっかり早春の行事になった、恒例の修学旅行。年々、行き先は専門的になり、歴史の奥深さを十分に楽しむ旅に進化してきました。

今年も15名の参加を得て、大下さんの綿密な旅程に従って、兵庫県は丹波路、翌日は、奈良県の山の辺の道、更に三日目は石清水八幡宮へ足を伸ばしました。

旅を仕切った大下さん、幹事の片岡君と田中君にこころから感謝して、例年の様に俳句を作りました。それぞれの、視点、感想をお楽しみください。

36回35組 第8回修学旅行 (2020年 2月 4日~6日)

2月4日 (火) 立春
<新大阪駅に集合>
遅れまじ未だ夢に見る春の旅     美枝子
七十路の修学旅行声弾む       恭子
八度目の冬の上洛皆達者       幹男

<兵庫県丹波市・柏原町 (田ステ女の故郷)
柏原八幡宮・丹波黎明館 (昼食) >

うららかや力士勇みて軒支え     恭子
春風に願いを込めて鐘三つ      克介
春眠に惑わされつつ神詣で      静瑩
春探し街を見回す三重塔       弘明
立春や喜寿の願いの鐘三つ      孝禮
芽吹き待つその根は橋の千年樹    萬地郎
二ン月や二のじ二のじの句碑二つ   萬地郎

<兵庫県丹波市・達身寺>
寒気充つ仏の群集何を問う      弘明
幾春を埋もれ潜みし仏たち      恭子
冬の香は木仏欠片達身寺       展子
いにしえの春を見たるや埋もれ仏   孝禮
立ちつくす諸仏皆似て長閑なり    克介
地中よりお出ましの仏に寒参り    弘道
地中にて修行仏の余寒かな      弘道
凍てる堂未完の薬師彩放つ      道雄
あたたかや仏の腹は下膨れ      萬地郎

<兵庫県丹波篠山市・大国寺>
戦国をくぐりし堂も春の中      恭子
箔重ね金色薬師頬ぬくし       恭子
風光る山に抱かれし龍の寺      恭子
母に似し阿弥陀拝みて冬うらら    静瑩
光背の採は極楽春らんまん      静瑩
龍棲むや古刹に霞立ち昇り      克介
春塵も化粧のうちと薬師仏      克介
箔押しに春塵合わせ阿弥陀仏     克介
寒明や十二神将ちと小振り      萬地郎
まだ残る金箔仏と遠野焼       弘明
畑焼く煙か龍か大国寺        弘道
お薬師が大日阿弥陀と野焼き見る   道雄
寒明けや丹波山寺美顔仏       尚子
眠る田に支度伝えて野焼きかな    克介
山里に三筋の煙春支度        展子
早春に古きラジオの丹波口      孝禮
野火上がる丹波の里に喜寿の衆    孝禮
野火赤し古き丹波に導かれ      孝禮
丹波路に笛吹き童子と春の歌     孝禮

<京都・カンティーナアルコ (夕食)>
酒蔵に春のワインを選る幹事     萬地郎

・柏原八幡宮の三重の塔 ・垂木に力士

・木の根橋 ・新旧の田ステ女句碑

達身寺前にて (この寺は内部の写真撮影禁止)

大国寺の金箔の仏たち

大国寺前の野焼き風景

カンティーナ アルコにて

山の辺の道

相撲神社にて

桧原神社

展望台から

大神神社

・石上神社の神鶏 ・長岳寺の猫

石上神社の拝殿 (国宝)
2月5日
<京都からのバス移動中>
京の朝ビルのあわいに冬薔薇       幹男
喜寿の春重衡を説く乙女顔      幹男

<奈良県・山の辺の道へ>
神坐います山の裾道野火近し       恭子
春まだき古人辿りし細き路      弘明
山の辺の道の風花愛でにけり     静瑩
風光る卑弥呼を偲ぶ山の辺の道    道雄
神近き山の辺の道喜寿の春      道雄
春寒に踏み固め承ぐ山の辺の道    弘道
三輪山や寒さ吹き飛ぶ神巡り     弘明
山の辺に梅や西向く社の多し     幹男
料峭や手をポケットに山の辺へ    展子
はこべらを分け入り辿る万葉歌碑   美枝子
春浅き山の辺の道夫杖に       尚子
三輪山や佐保姫ついに出でませり   萬地郎

<山の辺の道・相撲神社>
北風の相撲神社で型の真似      弘道
冬ざれや相撲神社は普請中      幹男
着膨れて野見宿祢を真似る喜寿    萬地郎

<山の辺の道・長岳寺>
底冷えや堂に閻魔の地獄絵図     克介
千年の寒風を経て鐘楼門       弘道
玉眼の阿弥陀見守る猫の春      萬地郎
この春にわれも欲すや三分身     弘明

<山の辺の道・崇神天皇陵>
雉鳴くや天皇陵の風強し       美枝子
料峭や陵墓は確と施錠され      萬地郎
寒風やたま 飛ばされて濠巡る      弘明

<山の辺の道・黒塚古墳>
春浅し黒塚の底の朱の色       弘道
朧かな朱土とまみれる神獣鏡     萬地郎

<山の辺の道・石上神社>
春立ちぬ布留の武器庫に鶏の鳴く   恭子
静かさや寒さまといて古社の建つ   弘明
春来るや神鶏言祝ぐ結構と      克介
春夕べ神鶏の啼く石上宮       道雄
拝殿を魅入る麿ちゃん春うらら    萬地郎

<京都・アポロプラス (夕食)>
他愛なく手相ではしゃぐ喜寿の春   克介
大笑い飲んではしゃいで喜寿の春   静瑩

2月6日
<京都・コープイン>
風花や柳馬場はくろき街        萬地郎

<京都・石清水八幡宮>
黄金こがね 信長塀に小雪舞う      恭子
着ぶくれて丸まったまま祓い受く   克介
案内する権禰宜の手の悴みて     克介
権禰宜の白装束へ小米雪       弘道
淡雪や禰宜の列なす石畳       弘明
小雪舞う石清水八幡にコロナの禍   孝禮
身を清め鮮朱の社に雪の花      美枝子
梛木の木と赤き八幡春の雪      展子
淡雪やたかき社殿の男山        萬地郎
神域にエジソン記念碑竹の秋     萬地郎
八幡宮朱色溶け込む雪の白      静瑩

<旅を終え>
春の宵余韻愉しむ旅のあと      克介
春旅の余韻にメール飛び交う夜    幹男

石清水八幡宮にて (1)

石清水八幡宮にて (2)

雪の石清水八幡宮