コロナ禍で休止していた、恒例の修学旅行が3年ぶりに再開されました。今回は10名の参加者と些か数は減りましたが、それぞれに80代の壁を乗り越えての参加でした。
今年は第9回目で、大下さんのきめ細やかで綿密な旅程は今までになく深化されました。この日にしか拝せない秘仏や、乗車したタクシーの運転手も戸惑うニッチな寺社などの訪問でした。
それぞれに印象を託した俳句をご覧あれ!
先ずは、
前日から京都に入っての作品から… 2月16日(木)
| <智積院> 春寒し一糸乱れぬ朝勤行       静瑩
 灯明へ響く太鼓や春寒し       静瑩
 水ぬるむ御室の池のささ動き     萬地郎
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2月17日(金) 宿泊の「三井ガーデンホテル浄教寺」ロビー集合で三台のタクシーで三尾方面へ出発。
| <高山寺> 抜け出でて鳥獣あそび山笑う     克介
 山深し鳥獣戯画の寒稽古       道雄
 山深く茶園華やぐ高山寺       道雄
 何想う善財童子春の風        道雄
 冬ざれの栂ノ尾静か夕ちかし     幹男
 冬ざるる鳥獣戯画の高山寺      幹男
 石段にひるみよろめく春の寺     恭子
 春浅き明恵の寺に集いたり      恭子
 戯画にもエデンにも蛇あらわれる春  展子
 明恵待つ仔犬は静か冬日向      展子
 金堂に祈る友の背冬日燦       展子
 春なれや樹間に僧の坐禅の図     萬地郎
 <西明寺>谷間に白きを残し春を待つ      克介
 <神護寺>神護寺の薬師見たさや雪残る     道雄
 雪残る石段たどる和気の寺      恭子
 春灯に秘仏の朱唇薄く開け      萬地郎
 春光や薬師如来に御目通り      恭子
 開帳や戒壇廻りの空気感       萬地郎
 土器や三尾の山に日脚伸ぶ      展子
 神護寺の谷へかわらけ風光る     牧子
 神護寺に土器飛んで春近し      展子
 春寒や里の汁粉の餅かたし      克介
 空海の筆の「最澄」あたたかし    萬地郎
 <アポロプラスの夕食へ>定宿は広き更地へ春の闇       萬地郎
 |   高山寺・石水院の善財童子 
 高山寺にて 
 神護寺:楼門にて 
 神護寺の本尊薬師如来 (榧の一木造り) を見る事が出来ました | 
2月18日(土) 貸切バスで藤井寺市・羽曳野市・堺市に古墳群と観音像見学。
|   道明寺にて 
 道明寺境内 
 道明寺天満宮の梅林 | <道明寺> 梅咲くや王墓盤踞の土師の里     恭子
 飛び梅や菩薩がおわす土師の寺    道雄
 うららかやアフリカキリンの侍すお寺 萬地郎
 <道明寺天満宮>梅咲きて秀才愛でる盆栽展      克介
 梅咲いてバスも集うや道明寺     道雄
 盆栽も加え整う梅まつり       静瑩
 盆栽の華を添えたる梅まつり     静瑩
 そこかしこ梅の香りの天満宮     静瑩
 梅の香も眼で愛でろとやマスクして  幹男
 時つなぐ石の棺と梅林と       展子
 菅公の梅へ賑わう藤井寺       萬地郎
 
  修羅 (これで大石などを運んだ) | 
|   譽田八幡宮 (後ろの応神天皇陵がご神体) | <譽田八幡宮・応神天皇陵> 如月や赤馬伝説応神陵        恭子
 春めいて初宮参りの婆若し      克介
 誉田宮パワー授かる春の旅      恭子
 ご神体は天皇陵とや山笑う      萬地郎
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|     野中寺にて      かつての礎石の亀石か? | <野中寺> ご開帳野中寺四たびたずね来ぬ    恭子
 智識結金銅仏に春の雨        恭子
 野中寺や小さき仏の御開帳      弘道
 野中寺の小さき菩薩のご開帳     道雄
 春近し金剛仏は半跏思惟       展子
 春の風往時やいかに亀礎石      克介
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|   仲哀天皇陵とも云われる古墳 
 公開された秘仏 (カタログより) | <仲哀天皇陵・葛井寺・韓国(辛国)神社> 御陵を黒く映して春の濠       幹男
 水鳥や古墳の堀に澪残し       展子
 謎秘めたままの陵墓や霾曇り     萬地郎
 万人を照らす千手や風光る      克介
 春の海衆生を守りし千の手よ     静瑩
 球春に思いを馳せる藤井寺      弘道
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|   | <堺 仁徳天皇陵> 雲雀なら見渡せるかと仁徳陵     克介
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 | <夕食は東華菜館>繰り言も宜し八十路の春の宴     幹男
 元宵を祝う八十路の同級生      弘道
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2月19日(日) 前々日と同じタクシーに分乗して伏見方面へ、この日は京都マラソンの為に交通規制があったが、それは避けられた。
| <伏見稲荷大社> 春時雨緑に映える朱の鳥居      克介
 無事願い鳥居をくぐる八十路春    道雄
 鳥居往く朱に紛れ込む余寒の雨    静瑩
 異国語が飛び交ふ春よコロナ明け   静瑩
 竹の秋浅黄の袴朱の鳥居       幹男
 |   伏見稲荷大社にて 
 千本鳥居 | 
| <石峰寺> 実南天雨に光りて石峯寺       幹男
 若冲の墓は素にして春時雨      萬地郎
 いっちゃんにそっくり羅漢はるうらら 克介
 若冲の羅漢とりどり春の雨      道雄
 竹の秋五百羅漢に話しかけ      牧子
 春雨や山べの道の羅漢たち      弘道
 のどかさや若冲つくる石羅漢     恭子
 竹林と落ち葉の中の羅漢かな     展子
 累々と欠けし野仏竹の秋       萬地郎
 <御香宮神社>春雨や古社殿裏の絵鮮し       萬地郎
 <京都駅: お別れ昼食 (加賀屋にて)>飲み笑う八十路の集い京の春  道雄・静瑩の合作
 <帰宅しての翌日>春宵や旅の話で孫と呑む       幹男
 |   石峰寺にて 
 石峰寺にて | 
次回は10回目の記念旅行で、早くも候補地の検討が始まりました。