ノーベル化学賞受賞、文化勲章受章、文化功労賞受賞者の根岸英一さん(28回生) がご逝去されました。誠に残念でなりません。根岸さんのご功績は、世上知られているとおりですが、湘南高校・湘友会にとっても、大きな足跡を残されました。
根岸さんは、常に若い人に「積極的に海外に出て見聞を広めるように」説いておられました。学校と湘友会が連携して、2013年3月以降、毎年40名あまりの現役生をアメリカ研修旅行などに送り出したのも、根岸さんのそうしたお考えが大きな要因となったものと思われます。
2017年のアメリカ研修旅行では、特別教授として在籍するパデュ―大学で自ら講義を行い、ご自宅に生徒全員を招いてパーティーを催し、励ましてくださいました。
湘南高校歴史館訪問 根岸コーナーの前で (2017年10月)
2010年のノーベル賞受賞後、いち早く母校を訪れ全校生徒に講演をしていただき、翌年には母校創立90周年記念式典で特別講演、また4年前にも、お体の調子が余りよくないにもかかわらず、再度母校でご自分の研究分野について講演をしていただきました。歴史館にも2度訪問され、一度は、車いすの奥様をお連れしての訪問で、ご夫妻睦まじく、ご自分のコーナーを含む館内の展示を熱心にご覧になっておられました。
母校・湘友会をこよなく愛していただき、どの人にも笑顔で優しく接して下さった、根岸さんの人柄が偲ばれます。
今秋行われる予定の母校100周年記念式典に、是非ご参加いただきたかったのですが、それもかなわぬこととなってしまいました。手元に90周年の記念式典後の祝賀会会場で、根岸さんといっしょに収まった写真がありました。なごやかな表情で、やさしく語りかけていただいた、在りし日を思い出しております。ここに、心よりご冥福をお祈りいたします。
創立90周年祝賀会会場にて ── 鎌倉プリンスホテル (2011年11月)