川井湘南高校校長先生よりのメッセージ 

創立90周年記念事業へのお礼とお願い
湘南高校校長 川井 陽一

 日頃より、湘友会の皆さまには、湘南高校へのご理解とお力添えを賜り、心より感謝申し上げます。
 二年後の平成二十三年に湘南高校は、90周年を迎えることになりました。

 「湘南」が、大正十年創立以来、「文武両道」の校風の下、全国における中等教育の旗手として、同時に公教育のトップリーダーとして、確固たる地位を占めてきたことは、改めて申し上げるまでもございません。

 このたび、90周年記念事業として「校史資料館」(仮称)が湘友会によって企画され、いよいよそれが具体化されますことは、私ども現在湘南高校を預かるものにとって誠にありがたいことであり、また「湘南」の歴史にとっても極めて意義深いことであると考えています。

 赤木愛太郎先生以来の「湘南」の歴史、伝統は、もとより、卒業生の皆さまのいわば人間性を形づくるものとして、第一義的にはお一人お一人の内面にこそ貯えられているものかと思います。一方、そのような人を育てた教育とはどのようなものであったかということについて、形あるものを残し、その精神を伝えていくことは「湘南」のみならず、わが国の教育を考える上でも高い意義を有するものと考えています。

 「湘南」の歴史と伝統、「湘南」の精神を広く世に問うために、さらに在校生そしてこれから「湘南」で学ぶ生徒のために、また卒業生の方々と在校生の交流の場として、校史資料館に期待するものは大なるものがあります。

 すでに湘友会の皆さまには、キャリア講演会、土曜講座等で、生徒の成長に資する大きなご支援をいただいておりますが、校史資料館は、将来社会のリーダーとして活躍する生徒を育てるという「湘南」のミッションに多大なる貢献を果たしてくれるものとなることは間違いありません。

 今日、社会がそして世界が大きく変動する中、教育においても、その座標軸が必ずしも定まらない感があります。「湘南」が追求してきた「文武両道」、それも一人ひとりにおける極めて高いレベルの文武両道をとおしての総合的な人間力の育成は、今教育においてまさに求められているものであり、将来に向けての座標軸になるものと確信しております。

 湘友会の皆さまには、引き続き湘南高校へのお力添えをお願い申し上げますと共に、校史資料館建設に向けての格段のお力添えを切にお願い申し上げるところです。どうぞよろしくお願い申し上げます。