第22回湘友会セミナー報告

10月18日(土)、湘南高校の多目的ホールにて、白井美樹さんによる湘友会セミナー「心もからだも情熱フラメンコ~アンダルシアに想いを寄せて~」が、音響・照明に現役放送部の協力を得て開催されました。今回は、講演だけでなくフラメンコのパフォーマンスをメインにした内容で、参加者も“在校生や卒業生に限らず、どなたでもご入場・ご参加いただけます”という、これまでにないセミナー。それだけに、どれだけ人が集まるのかまったく予測できなかったのですが、フタを開けてみれば来場者は100人を超え、大盛況となりました。

開会のあいさつに続き、白井さんを始めとするバイレ(踊り)3人、カンテ(歌)2人、ギター2人、カホン(打楽器)1人の総勢8人が舞台に登場すると、ざわついていた客席がシーンと静まりかえります。期待感が高まる中、カンテの「ビバ!セビージャ、オレ!」のかけ声でパフォーマンスがスタート。まずは、あでやかな衣装に身を包んだ3人のバイレが一緒に“セビジャーナス”という、楽しげなお祭りの踊りを披露してくれました。続いて、まばゆいスポットライトや幻想的な真紅の照明が舞台を彩り、それぞれの個性が生かされたソロの踊り。時に哀しげに、時に激しくかき鳴らされるギターの音色、やさしく強く、高く低くと自在にフレーズを奏でるカンテの歌とパルマ(手拍子)、そして曲が進むにつれて、徐々に激しさを増していくバイレの踊りと靴が床を打ち鳴らすリズム! それらが一体となって発せられるエネルギーは圧巻。言葉はわからなくとも、曲に込められた感情が伝わってきます。

第1部で生のフラメンコに興奮したあとは、第2部・白井さんによる講演「フラメンコの魅力と楽しみ方」。幼少時からクラシックバレエを習い、大学でもバレエの文献研究に明け暮れたという彼女が、なぜフラメンコのとりこになったのか。その不可思議な魅力や、バレエとフラメンコの違いなど、双方を知る白井さんならではの興味深いお話が聞けました。また、踊り手の足さばきや、パリージョ(カスタネット)、アバニコ(扇)といった小道具については実演も交えて紹介。短い時間ながら盛りだくさんの内容で、ちょっとした“フラメンコ通”気分が味わえました。ちなみに、フラメンコといえば“バラを口にくわえて…”というイメージがありますが、小道具にバラはないのだそう。

第3部は、第1部でも披露されたお祭りの踊り“セビジャーナス”のさわりの部分を、みんなで覚えて、踊ってみましょう!という体験コーナー。なんと会場にいる半数近くの方が参加してくださり、まるで本物のお祭りのように盛り上がりました。そして、いよいよクライマックスの第4部。再び8人によって熱いステージが繰り広げられます。今度は、先ほど説明を聞いた扇などの小道具を用いての踊り。第1部とはまた違ったダイナミックなパフォーマンスに誰もが酔いしれ、最後は会場中が大きな拍手に包まれました。
多目的ホールでの本格的なパフォーマンス、参加者も巻き込んだ体験型であること、卒業生と現役生との共同作業など、チャレンジ精神が発揮された今回のセミナー。この成功は、またひとつ、湘友会セミナーの新たな扉を開いてくれたのではないでしょうか。

報告/上月里恵子(全57回生・湘友会セミナー委員)

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