湘友会セミナー(第12回)報告

12月7日(土)、湘南高校歴史館スタジオにて湘友会セミナー「原発問題と地球温暖化問題に就いての一考察」が開催されました。講師は矢田健一氏 (41回生) です。矢田氏は、NTT電気通信研究所において画像、通信ソフト、ネットワークの研究・開発に携わった後、(独)情報処理推進機構でOECDセキュリティガイドライン策定などの道を歩まれています。
今回の原発問題と地球温暖化問題は専門家の立場としてではなく、自ら勉強され日頃考えていることをラグビーのエピソードも交えながら話されました。

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1. 原発問題とは放射性廃棄物問題ではないか

原発は“トイレなきマンション”とも言われるように、使用済み核燃料の処理方法が未だ確立されず、地下に埋める案も安全かどうか懸念されています。使用済み核燃料の再処理は頓挫し、福島第一原発からの大気汚染や生態系に与える影響が心配されています。放射能は新陳代謝の旺盛な幼児世代ほど危ないと言われ、半減期はあっても零に近付くだけで永久不滅。除染作業で分別しても、それをどう処理するかは未解決です。原発は100万年(?)先までの放射能汚染を我々の世代が作ることになるのです。

2. 地球温暖化問題とは原発問題なのではないか

地球温暖化は、一般には温室効果ガス (特に二酸化炭素) の増加が主要な要因であるというのが通説になっています。しかし、この主張を広めてきたIPCC (気候変動に関する政府間パネル) 創設のいきさつやシュミレーション・データーの入力条件の偏り、境界条件によってCO2が主な原因とされてきた事実があると思います。環境省HPによると大気温暖化の寄与率は ①水蒸気:60% ②CO2:30% ③その他 (対流、潜熱など) :10% となっており、 原発の熱効率は30% (電気)、あとの70%は排熱され、原発からの特別大きな排熱が、海水を温めます。CO2を減らしても熱を抑えなければ意味がありません。原発を増やせば更に地球温暖化を促進させてしまいます。このようなことから、地球温暖化問題と原発問題は深い関係があるのです。地球上のエネルギーはすべて熱になり、人間の生産活動、例えば都市のヒートアイランド現象、航空機なども大気を直接加熱(水蒸気)します。地球物理学者や気象学者の間では、地球の中長期の気候変動の原因は、太陽活動の変化にあると言われていますが、地球温暖化の根本的解決は、人類のエネルギー消費を抑えるしかないと、私は考えています。

3. 結論

あくまでも科学的真実に基づいて議論することが大切で、間違った欲望による偽りの科学・技術・政治的行動に真実はない。そして
◆ 原発に明日はない。
◆ 原発は地球を温暖化する。
と熱く述べられました。