ご報告:平成26年度イブニングセミナー特別企画 ”TSUNAGU!!” 平和祈念 くすのきコンサート

今年も8月15日(金)に平成26年度イブニングセミナー特別企画として、「TSUNAGU!!平和祈念 くすのきコンサート」を開催しました。一昨年から始まった「湘南高校イブニングセミナー」は、東日本大震災後に掲げられた県のグランドデザイン「いのち輝くマグネット神奈川」を反映した、全国に先駆けた一般市民対象のセミナーです。

当日は、関西・近畿地方からの大雨のニュースに被害が少ないことを願いつつ、今なお道半ばの東日本大震災からの復興を想い、過去の災害で犠牲になられた方々のご冥福と、平和を祈念したコンサートでした。湘南高校も91年前の9月1日の関東大震災で被災し、犠牲者が出ました。その十年後に楠公生誕の地からいただいた150本のくすの樹の苗は、81年経ったいま、数本の大木となり、ここから巣立つ生徒を見守り続けてきました。

岩嶋厳峰氏(独立書人団 神奈川県支部代表)の揮毫した今年のテーマが舞台に踊る中、会場全体の校歌で開幕、校長先生から秦野のもう一つの「風立ちぬ」のエピソードが紹介され、ついでNHKコンクール神奈川県大会で38年ぶりに銅賞に輝いたばかりの現役合唱部の演奏が披露されました。その後、91歳でなお背筋の真っ直ぐな北島令司さんより、生前の赤木校長のお宅に上がったこと、特攻隊を援護したパイロットとして経験したこと、毎月あった空襲に藤沢市だけが逃れられたエピソード、そこから平和は一人一人の家庭からと思い至り、今も地域のために活躍されていることを伺いました。お話の後、今年は帰省を控えておられる北島さんに、会場全体で「ふるさと」の合唱を贈りました。

後半は定時制代表・小林バンドの驚きのソロにつづき、卒業生有志の合唱、湘南で教えていらした二期会のソプラノ歌手、平松亮子さんのソロ、現役合唱部と卒業生の合同合唱、閉会の挨拶で終了しました。

卒業生有志の指揮には、OBで世界で活躍する著名な指揮者が登場し、だれもが驚きました。本番直前にご本人指揮のDVDで復習をしていた卒業生一同は、懐かしさと驚きで一挙に高校時代に戻りました。奇しくも前回のNHKコンクール優秀賞を獲得した卒業生と、今年の銅賞の合唱部員が一同に会したことになりました。お客様をお見送りした くすの樹の下では、演目を終わっても、指揮者を替えながら愛唱歌が次々歌われ、名残りを惜しみました。

歌で、文字通り「絆」を、そして改めて平和の有り難さを感じるひとときでした。まだいらしていない皆さま、来年は是非ご一緒に歌いましょう。そしていらしてくださった皆さま、また来年にお会いしましょう。