第11回湘友会セミナーのお知らせ

  • 日時: 平成25年11月16日(土) 14時~16時
  • 場所: 湘南高校 歴史館スタジオ
  • テーマ: 「編集後記で綴る世界」
  • 講師: 清宮美稚子氏 (52回生)
  • 対象: 湘南高校卒業生
  • 参加費: 無料
  • 事前申込: 不要

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【講演内容】

終戦直後の1945年12月に創刊された、『世界』という月刊誌がある。かつては『朝日ジャーナル』とともに、政治的意識の高い学生に読まれていた、いわゆる『オピニオン誌』の老舗である(『世界』は、良質な情報と深い学識に支えられた評論によって、戦後史を切り拓いてきた雑誌です。創刊以来67年間、日本唯一のクオリティ・マガジンとして読者の圧倒的な信頼を確立しています――HPより)。

この雑誌の編集部員として2001年春から携わってきたが、2012年6月号から編集長を務めることになった。初の女性編集長ということで、珍しがられた感がある。
以来 1年あまりが経過した。数年前には考えられなかったことだが、日本では政権交代・再政権交代を経て、第2次安倍政権のもと、戦後最大の憲法の危機を迎えている。震災復興、原発再稼働、TPP、消費増税など、他にも問題は山積みだ。

毎日のように驚くべきニュースが飛び込んでくるなか、毎月どのように雑誌の編集作業にあたっているか。いまの日本と世界に起こっている問題の本質をとらえるために、どのような切り口を考え、どのような補助線を引くか。新聞やテレビなどのマスコミとは違う手作りのジャーナリズムであり、最新のニュースを追いつつもじっくりと深くテーマにとりくむ「月刊誌」というメディアで、読者に何をどう訴えていくか。具体的経験・エピソードをふまえて、メディアの最前線からの報告をし、ご参加の皆様との意見交換をしたいと思う。
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【講師略歴】

1958年横浜生まれ。東京大学文学部卒。音楽之友社に入社し月刊誌『レコード芸術』編集部に所属、1986年に新評論に移り、藤原良雄編集長(現・藤原書店社長)のもとで単行本の編集に携わる。1987年3月に岩波書店に入社。出版部(現・製作部)、ニューメディア開発室、ジュニア新書編集部を経て、2001年4月に「世界」編集部に。2008年4月に副編集長、2012年4月に編集長。