第28回湘友会セミナーのご案内

  • 日時: 2015年 4月11日(土) 14時~16時
  • 場所: 湘南高校 歴史館スタジオ
  • テーマ: 「Sunstainable-真の持続可能性を目指して」
  • 講師: 外岡 豊(とのおか ゆたか) (44回生)
  • 対象: 湘南高校卒業生・在校生
  • 参加費: 無料
  • 事前申込: 不要

【講演要旨】
持続可能性という言葉が使われ出して二十余年、この言葉が流行って多用されるに従い本来の意味から外れた乱用誤用が重ねられ意味が濁ってきているように思われる。真の持続可能性とは何か、それに向けて何をすればよいのか、日本の国土と社会を例に考えたい。

20世紀後半から人類社会は気候変動やオゾン層破壊、熱帯雨林の消失、砂漠化等々地球規模の環境問題、それに類する原子力問題や核兵器を巡る国際紛争等々に直面して来た。現代工業文明の大量消費社会、世界市場の金銭利益追求企業社会、過剰なまでの情報化社会、一方で混迷し激化する国際紛争等々、現実は持続可能性からほど遠いばかりか、21世紀に入って安倍ノミクスが押し進める経済政策等、持続可能性と逆行する向きに拍車がかかっているような面も見受けられる。

気候変動を何とか危険が少ない範囲とされる地球平均気温を2℃以内に押し留めるためには温室効果ガスを早急に大幅に削減しなければならず、先進国では2050年に実質排出ゼロ (バイオマス燃料のCO2排出をゼロとして評価、これを Carbon Neutral と呼ぶ) を実現することが共通目標である (IPCC5次報告とCOP16、Cancúnカンクン合意による)。

その実現を日本社会の共通目標として、失われた20数年どころが明治維新以来1世紀半欧米列強に翻弄されて本来の日常生活を失ったままの日本を立て直すべく、明日から日本は何を目指して行けばよいのか2050年に向けた日本社会の姿をできるだけ具体的に描写してみたい (これをシナリオ分析と呼ぶ)。真の持続可能社会とは何か、それに向けて、現前の非持続的な現実をどう変革して行くのかを考える。目標は主として太陽エネルギーに依存した真の持続可能社会、Sunstainable Societyである。Sunstainable、この言葉は2001年、3千年紀の初年を機会に私が創った新語である。この講演を機会にぜひ浸透させたい。

【講師プロフィール】
埼玉大学経済学部社会環境設計学科教授 工学博士(早大)
兼務:早稲田大学理工学研究所招聘研究員
専門: エネルギーと環境、気候変動対策、大気汚染対策
とくにエネルギー需要分析と温室効果ガス等排出量推計
持続可能社会論、理想都市論
現在:日本建築学会地球環境委員会委員長、同学会倫理委員会
(伝統木造住宅はじめ国産木材の建築用途利用促進活動中)
低炭素社会推進会議(19団体で設立)幹事
森街連携会議代表、NPO・EEハーモニー代表
エコステージ協会理事、日本都市問題会議世話人、他
環境省、埼玉県、さいたま市等環境関係審議会、検討会委員歴任
Imperial College London Visiting Professor、大連理工大学、西安交通大学客座教授、
大阪大学客員教授、歴任