第68回湘友会セミナー報告 「サッカー部 スペイン・ドイツ遠征報告」

「スペイン・ドイツ遠征報告 ~小児科医・プレイヤーの立場から~」報告

8月恒例のサッカー部によるセミナー。今回はスペイン・ドイツ遠征報告だった。講師の若木均さん(64回生)は、湘南入り口交差点近くで開業する小児科医。現役時代は全国高校選手権の全国大会でベスト16という素晴らしい実績を残した。昨年は神奈川県40雀リーグで優勝という現役プレイヤーでもある。午前中の現役との試合で負傷した腕を吊っての講演となった。多目的ホールは、OB,現役、父母合計170名の盛況であった。

講演会では、最初に現役生二人、3年生笹森貫佑君、2年生桑野展希君が、高校生の目線で遠征についての感想を述べ、その後に若木さんが多数の写真を交えて、全体を振り返った。
遠征は3月23日から4月2日で、ドイツからスペインを回る行程であった。
ミュンヘンに入り、エンゲルス・プログラムという育成・戦術理解のための指導練習を受講 (エンゲルスは元浦和の監督で長谷部らを育成した)。地元プロリーグの試合観戦、バイエルン・ミュンヘンのホームスタジアムであるアリアンツ・アレーナの見学などを行った。
その後、空路でスペインのビルバオに入る。ビルバオでは名門アスレチック・ビルバオのホームスタジアム「サンマメス」、広大な練習場である「レサマ」などを見学し、ビルバオの地元チームとの試合も行う。ロシアワールドカップで大活躍した乾貴士選手が所属するエイバルのユースチームと対戦。(エイバルはバスク地方にある3つの1部チームの内の一つ)0-3で敗れたものの、緊張感のある試合ができた。スペインでは、バルセロナ、エイバルのユースコーチによる指導練習を行った。

この遠征では、英語を使っての学校交流を実施している。(遠征の前の半年間ほど、森秀樹さん(46回生)が英語を話すための講習を行い準備している)毎回行っている「ガストゥレータ校」を訪問。こちらでは、竹とんぼなどを準備して日本文化をテーマにグループ別の交流を行った。ビルバオには、マドリードに赴任中の53回岩田淳一さん、飛び入りで54回森正俊さんが参加するなど、OBの動きも活発であった。

その後、マドリードまでの400㎞をバスで移動。レアル・マドリードのホームスタジアムであるサンチャゴ・ベルナベウなどを見学、市内観光を行って帰国した。
ドイツ、スペインの指導練習では、異なる環境で、異なる切り口で指導を受けたが、結果的には湘南の指導者が普段から指導している内容と大きく変わらないことがわかった。スペインでは、プレーの時間をつくるためにどうするか、自分のため、味方のためにどうやって時間をつくるか。一つ一つの動き、パスにどのようなメッセージを込めるのかということであり、内容の再確認となった。また、どの町で試合をしても、グランドにはバルやカフェが併設されており、住民が観戦し、試合終了後に交流がある。ヨーロッパでのサッカー文化の深さを改めて認識した。
今回は41回相羽克司OB会副会長、89回町田道誠コーチをはじめとしたOBが遠征に参加し、現役生にとって上下の絆の深さを理解する良い機会であった。

関 佳史 (48回生)