第17回湘友会セミナーのお知らせ

  • 日時: 平成26年5月10日(土) 14時~16時
  • 場所: 湘南高校 歴史館スタジオ
  • テーマ: 「子どもは何を歌い継ぐ」
  • 講師: 野口 忠道氏 (32回生)
  • 対象: 湘南高校 卒業生・現役生
  • 参加費: 無料
  • 事前申込: 不要

【講演内容】

★唱歌・童謡・抒情歌の発達史
明治後期に生まれた文部省唱歌、それに反発して起きた大正童謡運動の展開。昭和初期に始まったレコード盤の普及とラジオ放送の開始で童謡は全国に広まった。戦時下の軍国童謡と疎開の時代を経て戦後の第二期童謡運動が盛んになったが、日本童謡協会の内紛もあり組織的な童謡創作運動は滅んでしまった。「ラジオ歌謡」や「みんなの歌」で生まれた歌のごく一部は今も歌われている。
伊澤修二 メーソン 田村虎蔵 大和田建樹 中山晋平 本居長世 海沼實 古関裕而

★近年は子供たちが歌を歌っている光景をあまり見かけなくなった。明治の頃から歌われてきた唱歌や童謡、抒情歌は貴重な日本の文化である。子ども達がこれらの歌を親などから教わっていないからだ。かつての名歌は音をたてて社会や教科書から消されていった。代わって新しいリズム中心の明るく元気な歌、長調の歌が増えている。しっとりとした抒情歌は減少している。近年の都市化によって花や小動物などの自然が遠ざかり、自然を読み込んだ名歌も子どもたちにはイメージが想起されにくい。CD店・カラオケ店、テレビ番組で童謡や抒情歌に出合う機会は稀になった。
☆「仰げば尊し」を考える。
☆唱歌や童謡を作詞・作曲した人物  北原白秋 三木露風 野口雨情 サトウハチロー 岡野貞一 
山田耕筰 草川信 八洲秀章 中田喜直 下総皖一 湯山昭
☆童謡・抒情歌のエピソード     歌の早慶戦、青い山脈、青葉の笛、五木の子守唄、海ゆかば、大きな古時計、沖縄音階、川の流れのように、荒城の月、月の沙漠、長崎の鐘、母を慕う歌、春の小川、故郷、北帰行、真白き富士の根~

☆叙情歌の中の叙情歌  青い風 想い出は雲に似て 里ごころ シーハイルの歌 白鳥の歌  山のかなたに 夢のお橇

☆校歌・県歌・国歌~県立高校の校歌の傾向

☆童謡発展を支えた蔭の力~金田一春彦 時雨音羽 丘灯至夫 藍川由美 堀内敬三 
帰化曲(外国曲に日本語歌詞を付けた曲)の訳詞・作詞 久野静夫 津川主一 岩谷時子

☆童謡を盛んにする施策 学校での副読本「曲集」の採用 童謡を歌う会 日本童謡歌唱コンクール   
 これらの内容を映像を交えて解説する。

★懐かしい青春の歌を歌おう!
 参加の皆様で抒情歌を心行くまで歌い、青春時代の心情に浸りましょう。

【講師略歴】
 昭和32年 湘南高校卒業  在学中は地理研究部
 昭和37年 東京教育大学教育学部卒業 視聴覚教育専攻

[職歴]
横浜市教育委員会事務局社会教育課文化係
教職員歴:県立湘南高校通信制、県立横浜立野高校、
県立逗子高校(合唱コンク-ル指導20年)
神奈川県県民部私学宗教課専任主幹、県立岩戸、
六ツ川高校教頭、県立大楠高校校長、
県立追浜高校校長 進路指導研究協議会委員長、
県総合教育センター「こどもの電話相談」担当、
逗子市みどり審議会委員

[趣味・特技]
地元のフルート・アンサンブルに所属 写真撮影 魔術(手品) 親の介護